水野ももの著書（左から美肌レシピ／女優肌／水美肌／酵素美人）

---

---

---

「水野先生！どうしても参加したいのです！」

こんな時間にメールなんて、抜け毛には良いはずがない！

と思われる真夜中に相談メール！入塾希望者が後を絶ちません。

そうは言っても参加希望の皆様全てを塾生にすることが不可能な状態です。

ヘアケア塾は水野の奉仕活動のようなものでひとりづつ頂いたメールには

自分でカウンセリングしています。

出せるメールには限りがあります。水野はこれ以外に仕事もあるからです。

でもヘアケア塾を終わりにしようなどとは思ってもいません。

髪の悩みを抱える人たちのその悩みの深さをいいことに、

たくさんの商品が氾濫しています。

お金がたくさん飛び交っています。その人たちに本当にためになる、

役に立つ、髪の悩みを本当に解決する方法を教えてあげなくてはいけない！

悩みが消えたそのとき、心からにっこり笑えるその姿を見たい！

私にはそんな思いがあるのです。

忙しくてもヘアケア塾としてたくさんの人に伝えたい。

そんな風に私を駆り立てたことそれをご紹介しましょう。

忙しいことは十分承知の上でヘアケア塾を開設したのは

こんないきさつがあったからでした。



「僕の抜け毛は筋金入りですから・・・」

なんとも情けない元気のない声で水野に自分の髪の毛の話を始めたのは

みのるくんという水野の友人（当時30歳）でした。

みのるくんは身長1７８センチ。背の高めな、太っているわけでもなく

すっきりとした感じのいい青年でした。

ただとてもおとなしく控えめで自分を主張する事のない人でした。

水野は当時会社員を辞めたばかり、セミナーで知り合ったのです。

セミナーの後の親睦会で話が弾んでいるとき

水野の仕事の話になりました。

「水野さんって何をやっている人ですか？」

「今は自分で仕事をやっていますがついこの間までは化粧品会社で

　先生をしていました。」

「化粧品会社の先生ですか。

　化粧品といったら男性とはあまり関係のない仕事ですね。」

男性は化粧品というとたいていこう言ってきます。

「化粧品会社が作っているものはいろいろあって顔につける化粧品だけではなくて

　シャンプーやリンスだって化粧品の仲間なのよ。」

「シャンプーですか！ボクは髪の毛に優しいシャンプーを使っていますよ。

　結構いい値段します。」

「そうね！肌の弱い人は、髪の毛に優しいとか、抜け毛の心配な人は抜け毛用

　なんて書いてある値段の高いものを買うと安心するって言うこともあるわね。」

「安心ですか？」

「そうよ、使うだけで安心してしまう人が多いわ。使うだけでね」

「でも使えばよくなるんですよね？」

「そんな気がするようなCMを流しているからね。

　あなたは使って改善した？気になっていることが治ったのかしら？」

「ボクはまだそんなに抜けているわけじゃないから変化は感じませんよ。

　予防のために使っているだけですから」

「それはあなたはまだまだ幸運な方の人だと思うわ！

　モニターさんの中には相当髪に悩みを持っていて、

　シャンプーをいろいろ良いものに変えてみても抜け毛が止まらないって、悩んで、

　CMの髪に良い・抜け毛に効くというシャンプーを買い漁ってしまった人もいるわ。

　その結果、まったく変化なし。お金を捨ててしまっている人も多いの」

「そうなんですか、シャンプーの使い方にコツがあるんですか？」

「使い方も大事だわ。いい？それどころかそのほかにもたくさん気をつけるところが

　あるの。それに気をつけたらあなたの買ったシャンプーや高い養毛剤も効果が

　出てくるのよ。」

「それどんなことなんですか？」

「シャンプーはこんな風に…」

「養毛剤はこんな風に使ってね」

「そして寝る前にはこういうことが大事だわ…

　詳しくは時間がかかるけど大体こんな感じなの」

「え？まだあるんですか？」

「ひとそれぞれいろいろ改善するところがあるので全部は教えられないけれど

　大体の人がやってしまうのはこんなところかな、

　抜け始めて心配になったらまた聞いてみてね。個別に教えるわ！」



最後は楽しいお笑いふうに話が済んで、その日の親睦会は終わったのでした。



翌日水野の携帯にいままでかかってきたことのない人から着信が。

その日電話がかかってきた3度目に水野がちょうど仕事の合間電話に出たのでした。

「もしもし、水野さんの携帯ですか、昨日親睦会でお会いしたみのるです。」

みのるくんは、水野の携帯に電話などしてきたことは今までありません。

「昨日のお話もう少し詳しく伺いたいのですが良かったらお時間いただけませんか？

　お忙しいのは判っていますのでいつでもかまいません、お近くまで出て行きます。

　電話ではどうしてもお話しにくいことなのです。

　一度会って話を聞いてもらえませんか？」



みのるくんは今でこそみのるくんと呼ぶ友達になりましたが、

当時は親睦会でもあまり話したこともない人でした。

接点がなかったのになぜ？

昨日の話って何だろう？

そのとき水野はまったく抜け毛の話をしたことを忘れていたのでした。



「ありがとうございます、出てきてくださって本当に感謝しています」

「話って何かしら？あなたの興味のあること何かあったのかしら？」

「抜け毛を気にしている人にはそれぞれ改善点がたくさんあるって言うところです。

　水野さんは知っていらっしゃるでしょう。

　僕は髪かとても薄いんです。

　ほんとうにこのまま行ったらどうしようと、真剣に悩んでいますし、

　シャンプーだって養毛剤だって相当お金をつぎ込んできたんです」

「気が付かなかったわ！」

実際のところ背の高いみのるくんを上から見下ろしたことなどもなく、

またもし座っているみのるくんのそばを歩いたとしても

実は薄いなどと感じることもなかったと思います。

髪が薄いと感じる人は他人が感じる以上に気にしていることが多いのです。

でも本人にとっては重大な悩みです。デリケートな問題です。

水野はみのるくんに正しいヘアケア法を教えました。

毎週一度会いながらその結果をみて次のアドバイスをしていったのです。

毎週毎週行った個別のカウンセリングでした。

徐々に改善していったものの、

まだなかなかスッキリと気持ちが晴れない風のみのるくん。

みのるくんから生活全般の話を聞いたとき

ふと水野は思い当たったことがあったのです。

30歳のみのるくんは一人暮らし。

仕事が忙しいし、第一髪が薄くて年齢より老けて見えることを気にしていたために

なかなか彼女が出来ないと寂しそうに話しているみのるくんは

休みの日すら仕事になってしまうことが多い、

いつも家に帰ってくるのは終電で、

家に帰ることが出来ないこともしばしば、

家に帰ると倒れるようにして眠ってしまう。

洗濯物も溜まりがちと言っていたのです。

「もしかしてみのるくんは寝るときってこんな風にしていることってないかしら？」

「え？！なんで水野さんそんなことがわかるのですか？」

「とにかく疲れを取ろうと眠ることを最優先にしているはずよね？」

「そうです！

　疲れを残さないことが今の自分にとって何より大事だと思っていますから。」

「仕事にも疲れが残ると良くないし、

　髪にも睡眠時間が大事だってよく言われているよね、それを知っているから

　出来る限りたくさん睡眠時間をとろうとしているのではないのかしら？」

あなたはもう想像できたと思います。

みのるくんは疲れを残さないために必死になって睡眠時間を確保しようと

がんばっていました。

それは髪にとっても大事なことなのですが

でも水野が指摘した大事なことを忘れてしまっていたがために、

疲労回復はできたかもしれませんが、みのるくんの抜け毛には

信じられないくらいの悪い影響を与えてしまっていたのでした。



「みのるくん今日からこういう風にしてみてね、

　忙しいと思うけれどでも決して難しいことではないわ、

　あなたが今やっていることをこんな風にほんのちょっとだけ変えるだけでいいのよ、

　そうしたらきっとあなたの髪の毛の悩みは改善するはずよ。」

「そうなんですか？」

それまで1ヶ月ほどさまざまなアドバイスによって

みのるくんの抜け毛はぐんぐん減っていきました。

排水溝に溜まる大量の抜け毛に悩むこともなくなりました。

そしてその日最終的な仕上げのアドバイスを行ったのです。

男性がたいていやっている忘れがちなこと。

今まで教えてきたもののたいしたことではないと思っていたのでしょうか、

みのるくんはそのアドバイスをあまり守っていなかったようなのです。

ヘアケア塾の総仕上げに、水野はそのことをみのるくんに教えたのでした。



「水野先生、すごく調子が良くなっています！」

翌々日水野に信じられないくらい明るい声のみのるくんから電話がかかってきました。

「枕の抜け毛がぜんぜん違うんです!」

「昨日教えていただいたあの方法をやってみたのです！そうしたらすごいですね！

　たったアレだけのことなのに！」

ほんの少しだけ、

ほんとうにほんのすこしだけ

彼の生活を改善したらすばらしい結果が生まれたのです。